「氷」と「ドライアイス」って、どっちが冷たいんだろう?と疑問に思ったことはありませんか?
また、「液体窒素」は氷やドライアイスに比べてどのくらい冷たいのかも興味深いものです。
本記事では、氷、ドライアイス、そして液体窒素の基本的な差異と、これらの中で最も温度が低いものについて解説します。
一般的には、氷やドライアイスの使用に馴染みがありますが、液体窒素は特殊な環境下での実験でしか見ることが少ないでしょう。
これらは主に冷却に用いられる物質ですが、それぞれの成分には大きな違いがあります。
ぜひ、最後までご覧ください。
氷、ドライアイス、液体窒素の主な違い
氷、ドライアイス、液体窒素は、それぞれ異なる元素や化合物に由来します。
概要は以下のとおりです。
●氷は水が固まったもの
●ドライアイスは二酸化炭素が固体になったもの
●液体窒素は窒素が液体の状態になったもの
これらの差異により、氷、ドライアイス、液体窒素はそれぞれ独自の性質を持ちます。
各々の詳細を見てみましょう。
氷の特性について
氷は、単に水が固体に変化した状態を指します。
日常生活で氷はさまざまな冷却目的に使用されます。
例えば、飲み物を冷やすためや、食品の新鮮さを保つためなどが挙げられます。
氷の生成は、水の温度が0℃(1気圧の状況下)に達した時に始まります。
この温度を凝固点と呼び、水は固体に変わります。
冷凍庫から出した氷の温度は大体-15℃から-20℃ですが、周囲の条件により変動し、理論的には約-273℃まで下がることもあります。
ドライアイスの特性について
ドライアイスについてです。
ドライアイスは、二酸化炭素が固体になったものです。
空気中の二酸化炭素は、一定の低温になるとドライアイスになります。
二酸化炭素は、気体では炭酸ガス、液体では液体二酸化炭素、固体ではドライアイスと呼ばれます。
ドライアイスは白い固体で、温度は非常に低く-79℃以下です。
氷と異なり、溶けずに昇華して気体の二酸化炭素になります。
この特性から、水にならないため様々な用途で便利ですが、低温のため取り扱いには注意が必要です。
ただし、ドライアイスが昇華するのは普通の気圧下でのことです。
圧力が高まると、二酸化炭素は液体になることもあります。
実際、深海では高い水圧の下で液体二酸化炭素が存在することが知られています。
ドライアイスについて詳しく↓↓
液体窒素の特性について
液体窒素とは、通常気体として存在する窒素が液体状態になったものです。
日常生活ではあまり見かけないかもしれませんが、テレビなどで科学実験のデモンストレーションとして目にしたことがある人は多いでしょう。
たとえば、液体窒素に物を浸すことで素早く凍らせる実験があります。
また、液体窒素に浸したバラの花を取り出して軽く叩くと、パリパリという音と共に花が粉々になる実験や、液体窒素で凍らせたバナナをハンマー代わりにして釘を打つ実験などが知られています。
氷・ドライアイス・液体窒素の温度比較
液体窒素は無色透明で、水のような外見をしており、温度は-196℃以下です。
これはドライアイスよりも低温です。
-210℃に達すると、液体から固体の窒素に変わります。
このため、液体窒素は氷やドライアイスのように温度を下げることが可能で、-196℃から-210℃の範囲で調整できます。
「液体窒素は-196℃」とされる理由の一つは、普段の生活環境(気温と圧力)ではこの温度以下の温度を保つのが難しく、すぐに気体に変わってしまうからです。
一方、ドライアイスの温度は-79℃ほどです。
ドライアイスは二酸化炭素が凍ったもので、固体のため、アイスクリームの保冷などで家庭でもよく使います。
気化した二酸化炭素は気体として流れていってしまうので、家庭での使い勝手がいいですよね。
また氷は、水が0℃以下で固体となったものです。
これらを温度の低い順に並べると、「液体窒素(-196℃以下) < ドライアイス(-79℃以下) < 氷(0℃以下)」となります。
まとめ
要約すると、以下のポイントが挙げられます。
●氷は水が固体になったもの
●ドライアイスは二酸化炭素が固体に変わったもの
●液体窒素は、通常は気体である窒素が液体状態になったもの
●温度の低い順に並べると、「液体窒素(-196℃以下) < ドライアイス(-79℃以下) < 氷(0℃以下)」となる
最後まで読んでくださって、ありがとうございました。