この記事では、ドライアイスが一体何なのか、そしてそれが作り出す霧の性質について、要点をまとめて解説します。
●ドライアイスとは?
●ドライアイスから生まれる白い霧の謎
●ドライアイスによる白い霧が下方に集まる理由
ドライアイスとは?
まず初めに、ドライアイスは二酸化炭素(CO2)が固体状態になったものです。
私たちが通常、呼吸で排出するものや、大気中にある形で知っている二酸化炭素は気体の状態ですが、ドライアイスはこの気体が固体に変わった形態をしています。
二酸化炭素はその状態(固体、液体、気体)によって呼び名が変わります。
●固体の状態をドライアイス
●液体状態を液体二酸化炭素
●気体の状態を炭酸ガス
と呼びます。
また、炭酸ガスが水に溶けたものは炭酸水と称されます。
ドライアイスは非常に冷たい(-79°C以下)ため、触る際には保護手袋などの使用が推奨されます。
肌に直接触れると、凍傷を起こす可能性があります。
特に注目すべき点として、ドライアイスは一般的な物質とは違い、常圧下で固体から液体へと変わることなく直接気体に変化します。
これを昇華と言います。
そのため、ドライアイスは通常の冷凍庫では保管が難しく、溶けることなく直接ガスに変わります。
通常の環境では液体の状態を経ることなく気体になるため、接触する物を濡らすことがありません。
「乾いた氷」としてのドライアイスの特性を知ると、その名前がどのようにしてついたかがわかります。
次に、ドライアイスから発生する白い霧の正体を詳しく説明します。
ドライアイスから生まれる白い霧の謎
さっそくですが、ドライアイスが生み出す白い霧の正体に迫ります。
この現象は、ドライアイスによって冷えた周囲の空気の中の水蒸気が凝結し、細かい水滴や氷の粒子へと変わることによって起こります。
ドライアイスの周囲の空気や、ドライアイスから昇華した二酸化炭素ガスが周囲の空気を冷やすことで、空気中の水蒸気が凝結し、目に見える小さな水滴や氷の粒へと変わります。
多くの人が、ドライアイスから発生する白い霧をドライアイスが気化したもの、すなわち二酸化炭素だと思いがちですが、それは間違いです。
実際には、二酸化炭素は無色であり、空気の成分も無色です。
そのため、ドライアイスが固体で白いのはその性質によるもので、気化した二酸化炭素が直接白いわけではないのです。
実際の白い霧の正体は、無色の二酸化炭素ではなく、冷えた水蒸気が凝結してできた液体の水や固体の氷です。
この過程は、雲や霧が形成されるのと同じ原理です。
ドライアイスによる白い霧が下方に集まる理由
ドライアイスから出る白い霧が下に溜まるのは、生成される二酸化炭素ガスが空気よりも重いためです。
二酸化炭素の比重は約1.5で、これは空気よりもおよそ1.5倍重いことを意味します。
そのため、何もしなければ生成された二酸化炭素は自然と下方に移動します。
そして、この二酸化炭素によって冷えた空気中の水蒸気が凝結し、細かい水滴や氷の粒に変わることで、白い霧が下方に集まる現象が起こります。
この白い霧が時間とともに消えていくのは、周りの温かい空気によって水蒸気へと戻るからです。
空気が温まると、それが保持できる水蒸気の量が増え、目に見える水滴や氷の粒が消えて見えなくなるのです。
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まとめ
この説明から、次のことを理解していただければ幸いです。
●ドライアイスとは、二酸化炭素が固形化したものです
●ドライアイスは-79°Cで、凍傷のリスクがあるため、手で直接触れない方が良いです
●白い霧の正体は、二酸化炭素ではなく、冷えた水蒸気が凝結してできた液体の水や氷です
最後まで読んでくださって、ありがとうございました。