「大仏」と聞くと、日本人ならば多くの人が「奈良の大仏」や「鎌倉の大仏」を思い浮かべるでしょう。
しかし、これらよりも更に大きな大仏が日本各地に存在します。
この記事では、そうした巨大な大仏たちをランキング形式で紹介します。
大仏サイズランキング トップ10
今回は、日本の大仏トップ10のサイズをランキング形式で紹介します。
最も大きい上位3体の大仏と、トップ10に入るその他の大仏を表で紹介します。
1位 茨城県・牛久大仏(120メートル)
牛久大仏は、全高120メートルのブロンズ製の巨大な立像です。
この立像は、世界で6番目の高さを持ち、ブロンズ製としては世界最大です(1995年にギネスブックに記載)。
製作は浄土真宗東本願寺派の本山、東本願寺によるものです。
牛久大仏は多くの人にとってパワースポットとされ、基底からの高さは100メートル、地上からの高さは120メートルで、その大きさはギネス記録にも認定されています。
例えば、奈良の大仏が約15メートル、ニューヨークの自由の女神像が約40メートルであることから、その巨大さが際立っています。
大仏の内部は5階建てになっており、内部を拝観することができます。
各階は独自の幻想的な空間が設けられ、厳粛な雰囲気と安らぎを提供しています。
胸の高さの地上85メートルには展望窓があり、天気の良い日にはスカイツリーや富士山が望めます。
2位 宮城県・仙台大観音(100メートル)
仙台大観音は、鉄筋コンクリート製で、日本で二番目に大きな大仏です。
建立者である実業家・菅原萬は、彼の事業成功の秘訣を日常の観音様への信仰に求め、その信仰心と仙台に観光名所を設立したいという願いから大観音像を建立しました。
仙台大観音は、仙台城跡や伊達政宗の騎馬像と並んで、仙台を象徴する観光スポットです。
この100メートルの大仏は、内部が12層に分かれており、最上階の心殿にはご心体が安置されています。
展望窓からは仙台市内が一望でき、内部には108体の仏像と12神将が安置されています。
エレベーターでアクセスすることも可能です。
仙台駅から市バスで約40分の距離にあり、観光としての魅力が詰まった場所です。
3位 北海道・北海道大観音(88メートル)
北海道大観音は鉄筋コンクリート製で、かつては「北の京・芦別」として知られるレジャーランドに設置されていましたが、現在は宗教法人天徳育成会の天徳院が所有しています。
この大観音は芦別市にあり、高さは88メートルの白い巨大な観音像で、遠くからでもはっきりと見えます。
1989年に、旧芦別レジャーランドがあった場所で公開されました。
以前は内部をエレベーターで回遊できましたが、現在は一般の立ち入りが制限されています。
訪問者はエレベーターで最上階まで上がり、大観音展望台から芦別市の町並みを一望できました。
内部では胎内めぐりがあり、ご本尊が第一札所とされており、偶数の階には7体の観音像が祀られていました。
参拝者は螺旋階段を下りながら各階を巡ることができました。
4位 石川県・加賀大観音(73メートル)
加賀大観音は、この地が昔から「観音山」と呼ばれていたことにちなんで建立されました。伝承によると、奈良時代に2人の修行僧がこの地を訪れ、観音信仰が盛んであることを確認し、新たな観音像を祀る祠を建立しました。
加賀寺自体は約20年前に創建されましたが、その背後には長い歴史があります。
正面玄関を通って中に入ると、73メートルの大観音像が立っており、その迫力には圧倒されます。晴れた日には太陽が大観音を金色に輝かせます。
大観音を拝観する際は、晴れた日を選びましょう。
施設の一部は廃墟と誤解されがちですが、大観音加賀寺の活動は依然として活発です。
5位 福岡県・救世慈母大観音(62メートル)
救世慈母大観音は、62メートルの高さを持つ鉄筋コンクリート製の大観音像で、眉間には直径30センチの金の延板の上に3カラットのダイヤモンドが18個、胸の瓔珞には水晶と翡翠を56個使用しています。
この像は13メートルの幼児を抱いており、その内部には螺旋状の階段が設けられています。最上部からは雲仙も見える眺望窓があります。
日本の大仏の大きさランキング トップ10
日本の大仏のサイズをトップ10でわかりやすく整理した表です。
番外編として、奈良の大仏と鎌倉の大仏も加えられており、日本で最も大きい牛久大仏が奈良の大仏の約8倍のサイズであることが強調されています。
【一覧表】
順位 | 名称 | 高さ(メートル) | 所在地 | 建立年 |
---|---|---|---|---|
1 | 牛久大仏 | 120 | 茨城県牛久市 | 1992 |
2 | 仙台大観音 | 100 | 宮城県仙台市 | 1991 |
3 | 北海道大観音 | 88 | 北海道芦別市 | 1989 |
4 | 加賀大観音 | 73 | 石川県加賀市 | 1988 |
5 | 救世慈母大観音 | 62 | 福岡県久留米市 | 1982 |
6 | 会津慈母大観音 | 57 | 福島県会津若松市 | 1986 |
7 | 東京湾観音 | 56 | 千葉県木富津市 | 1961 |
8 | 大本山小豆島大観音 | 55 | 香川県小豆郡土庄町 | 1994 |
9 | 釜石大観音 | 48.5 | 岩手県釜石市 | 1970 |
10 | 札幌涅槃大仏 | 45 | 北海道札幌市南区 | 1989 |
番外 | 奈良の大仏(東大寺盧舎那仏像) | 15 | 奈良県奈良市 | 752 |
番外 | 鎌倉大仏(国宝銅造阿弥陀如来坐像) | 11 | 神奈川県鎌倉市 | 1252以降 |
巨大な大仏が作られる背景
大仏は各時代において権力の象徴や信仰の対象として制作されてきました。
聖武天皇の時代には、社会の不安定さを仏法によって解消しようという鎮護国家思想に基づき、全国に国分寺が建立され、大仏の建造が進められました。
1980年代以降は、地域活性化や観光客の誘致を目的に、日本各地で高さ100メートル級の巨大観音像が建てられるようになりました。
これらは多くが建設関係者や不動産関係者によって建設され、その巨大さが事業の宣伝に利用されています。
巨大大仏の老朽化と対策
多くの巨大大仏は鉄筋コンクリート製で、法定耐用年数は47年とされていますが、適切なメンテナンスにより100年以上の持続も可能です。
修復や補強工事が必要になることもありますが、その費用は膨大で、資金調達が困難な場合もあります。
例えば、1982年に建立された淡路島の世界平和大観音像(高さ100メートル)は、適切な管理が行われず、2022年に撤去された事例もあります。
最後まで読んでくださって、ありがとうございました。