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「お疲れ様」とは何か?ビジネスでの適切な使い方と言い換え表現

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職場やアルバイトでよく耳にする「お疲れ様でした」「お疲れ様です」という言葉。

このフレーズはビジネスの場面でよく使われます。

挨拶や仕事が終わった時に相手をねぎらうなど、さまざまなシチュエーションで利用されるこの言葉は、その使い勝手の良さから、どのように使っていいか迷う人もいるかもしれません。

そこで、この記事では

●「お疲れ様です」の適切な使い方
●「お疲れ様です」と「お疲れさまでした」に違いはあるのか
●「お疲れ様です」と似たような他の表現はあるか

について説明します。

「お疲れ様」の適切な使い方

挨拶は人間関係において大切な要素です。
感謝とねぎらいの意味が込められていて、特に職場では気持ちの良い挨拶が重要視されます。

「お疲れ様です」や「お疲れ様でした」は聞き慣れた言葉ですが、「お疲れ様」という言い回しは、そもそもどういう意味が込められているのでしょうか。

「お疲れ様」を辞書で調べると

「お疲れ様」という言葉を辞書で調べると、

仕事を終えた人や、仕事中の人に対する感謝や激励の言葉として、または協力して作業をした人同士の挨拶として使われる、とあります。

辞書では、「お疲れ様です」「お疲れ様でした」「お疲れ様でございました」という丁寧な表現も紹介されています。

ただ、「お疲れ様でした」と「お疲れ様です」の具体的な使い分けについては特に言及されていません。

「お疲れ様」を使う人とシチュエーション

ビジネスシーンでは、上司や先輩に対してよく使われます。

電話やメールでは、「お疲れ様です。○○の件で…」と使ったり、会議が終わった時にも使います。

私は、飲み会の翌日に「昨日はお疲れ様でした」と使うことが多かったです。

これは私の職場特有のことかもしれませんが、「飲み会の翌日は感謝の意を示すべき」と教わり、それを守っています。

「お疲れ様」は様々な場面で便利ですが、社外の人に使うと失礼と受け取られることもあり、「ありがとうございます」などの言葉に置き換えるのが良いでしょう。

友達同士では「おつかれ~」と気軽に使われます。

英語にはこれに相当する表現がなく、状況によって訳し方が変わります。

どう使い分ける?「お疲れ様です」と「お疲れさまでした」の違い

「お疲れ様です」と「お疲れ様でした」は、よく使われる表現ですが、これらの言葉の違いとは何でしょうか?また、使い分ける必要があるのでしょうか?

ここでは、「お疲れ様です」と「お疲れ様でした」の使い分けと、職場での挨拶のコツについて解説します。

「お疲れ様です」の使い方

●作業中やメールのやりとりの際によく使われる言葉
●目上の人も目下の人も使えるが、仕事を受けている立場では控えた方が良い
●顧客に対しては使わないほうが無難(ただし美容院やエステ、トレーニングジムなどではよく使われている)
●顧客がスタッフに対して使うことはまれである

職場では、「お疲れ様です」を広く使います。
作業中はもちろん、社内メールの冒頭で使うことも多いです。

以前の職場では、廊下でのすれ違い時にもこの挨拶が交わされていましたが、朝早くに使うのは適切ではないと感じる人もいます。状況に応じて使い分けが求められます。

「お疲れ様でした」の使い方

●業務終了時や誰かが帰宅する際に使われる言葉
●相手をねぎらい、敬意を表す別れの挨拶として使われる
●目上の人も目下の人も使用でき、非常に便利

「お疲れ様でした」は、一日の仕事を終えた後に使う適切な挨拶です。
「お先に失礼します」と言われた際には「お疲れ様でした」と応えることが一般的です。

ただし、仕事を続ける相手に対しては「お疲れ様です」を使う方が適切かもしれません。

「お疲れ様です」と「お疲れ様でした」は微妙に使い分けられている

「お疲れ様です」と「お疲れ様でした」に共通しているのは

●相手をねぎらう言葉
●上司でも部下でも使える
●仕事を受けている立場や、顧客に対してはひかえたほうが無難
●顧客からスタッフに対しては使わない

といったところです。

ただし、その意味には微妙に違いがあり、「~でした」は仕事や、作業の終わりの挨拶としてよく使われています

「お疲れ様です」と似たような他の表現はあるか

「お疲れ様」と「ご苦労様」

「お疲れ様でした」と似た意味の言葉には、「ご苦労様でした」という表現もあります。

現在では、これら二つの言葉は明確に使い分けられています。

  • 「お疲れ様でした」は、目下の人から目上の人へ
  • 「ご苦労様でした」は、目上の人から目下の人へ

この違いは、テレビでも話題になることがあります。

上司に「ご苦労様でした」と言うと、周りから違和感を持たれることもあるのです。

しかし、1940年代では上司に「ご苦労様でした」と言うのが普通でした

実際、昭和天皇在位50周年の式典で、三木首相が天皇陛下に対して「ご苦労様でした」と述べたこともありました。

言葉の使い方は時代と共に変わっていくものですね。

お疲れ様です誰にでもつかってOK。
ご苦労様です目下の人に対してつかってOK。目上の人には失礼。
お世話様です目下の人に対してつかってOK。目上の人には失礼。

ビジネスシーンでの「お疲れ様です」に代わる言い換え表現

「お疲れ様です」と同じ意味を持つ別の表現について解説します。

これらの代わりになる言葉は、上司や同僚、部下など、さまざまな立場の人とのやり取りに役立ちます。以下のポイントを参考にしてみてください。

朝の挨拶時

朝の出勤時は「お疲れ様です」よりも「おはようございます」と挨拶するのが一般的です。

朝から「お疲れ様です」と言ってしまうと、「まだ一日が始まったばかりだよ?」と思われてしまうかもしれません。

そのため、朝は「おはようございます」が適した挨拶になります。

退社時の挨拶

自分が先に帰るときは、ただ「お疲れ様です」と言うだけでなく、「お先に失礼します」と付け加えることで、礼儀を示すことができます。

感謝の表現 例えば、上司が会議に参加してくれた時など、直接感謝の気持ちを伝えたい場合は「ありがとうございます」と言うのが適切です。

ただ「お疲れ様です」と言うだけでは、感謝の深さが伝わりにくい場合があります。

同僚が特別な努力をした場合も、「お疲れ様」だけではなく、「ありがとう」と感謝を伝えることで、その感謝の気持ちがより伝わりやすくなります。

上司から「お疲れ様」と言われた際の反応

上司や先輩から「お疲れ様」と言われた際、どのように返答するのが適切でしょうか?

仕事中に上司から労いの言葉をかけられた場合、「恐れ入ります」や「ありがとうございます」といった言葉がおすすめです。

また、直属の上司であれば、仕事の進行状況を簡単に伝えるのも良いでしょう。

挨拶は円滑なコミュニケーションの一環

挨拶は、時代の流れや伝統によって変わることがありますし、職場によって「何が正しいのか」が難しいこともあります。

家族や親しい人同士では、これらを気にせず挨拶しますよね。

挨拶の本質は、関係性に関わらず変わらないものです。

家族であれ、上司であれ、挨拶の反応がないと不快に感じることがあります。
だからこそ、挨拶は社会的なルールを超えて、相手との良好な関係構築のための手段なのです。

昔の日本で、目上の人への労いはタブーだった

かつての日本では、「ご苦労様」と「お疲れ様」という言葉を、目上の人に使うことは一種のタブーとされていました。目上の人への労いや評価を表現すること、さらには感謝を示すことさえ、一般的ではありませんでした。

当時のビジネスマナーとしてこれらの考え方が広く受け入れられていたため、「ご苦労様」や「お疲れ様」は、上司や先輩など目上の人に使うべきではないとされていました。

そのような考え方に基づいて長年社会人生活を送ってきた上司は、部下から「お疲れ様でした」と言われると、「それは間違っている」と感じることもあったのです。

かつて、タレントのタモリさんが子役たちが頻繁に「お疲れ様です」と使うことを問題視し、議論を呼んだことがありました。

これは、目下の人が目上の人をねぎらうことが不適切とされていた古い考え方に基づくものでした。

現代では広く受け入れられている「お疲れ様です」

しかし、現代では、「お疲れ様です」は、上司から部下へ、部下から上司へと、上下関係にかかわらず広く使われるようになっています。

様々な地域や企業での経験からも、どこでも「お疲れ様」という言葉が、上司にも部下にも区別なく使われていることが確認できます。

ビジネスマナーや社会的な常識は、時代や文化、考え方の変化に伴って進化していくものです。

実際、現在では「お疲れ様」に対する認識も変わりつつあり、国立国語研究所の専門家たちの中には、「目上の人に対しても使って良い」との意見が増えています。

「お疲れ様でございました」は正しい敬語?二重敬語ではないの?

「二重敬語」とは、敬語を重ねすぎて間違った表現になることを指します。

例えば

「おいでになられました」は正しくは「おいでになりました」

「ご覧になられますか?」は「ご覧になりますか?」が正しいです。

そんな中、「お疲れ様でございました」には違和感を覚えるかもしれませんが、これは正しい日本語です。

「ございました」は、単に「です」のより丁寧な表現です。

特に、上司や先輩など目上の人に対し、「お疲れ様でした」という言葉が控えめに感じられる場合に、「お疲れ様でございました」と使います。

さて、「二重敬語」は文法的には間違いとされることが多いですが、例外もあります。

「お帰りになられる」「お召し上がりになる」「拝見いたしました」など、一部は許容されるケースもあります。

それでも、二重敬語は一般的な常識として理解しておくことが大切です。

英語での「お疲れ様」に相当する表現は?

日本語の「お疲れ様」という言葉は、さまざまなニュアンスを含んでいます。

これには、努力を認める意味の「お疲れ様」、日常の職場で使われる軽い挨拶、ビジネスメールの冒頭に用いられる「お疲れ様」などがあり、状況に応じて使い分けられています。

しかし、これら全ての意味を含む単一の英語表現は存在しません

英語では、伝えたい内容や状況に応じて様々なフレーズを使う必要があります。

「お疲れ様」の意を込めた英語表現

何かに取り組んだ人へのねぎらいを表す日本語の「お疲れ様」を英語で表現する方法を見てみましょう。

  • Good job! / Well done! – よくやった!
  • Thank you for your hard work today. – 今日は一生懸命働いてくれてありがとう。
  • You did an excellent job! – 素晴らしい仕事をしたね!
  • You really did a good job today. – 今日は本当に素晴らしい仕事だったね。
  • Thank you for all your trouble. – ご苦労様、色々と手間をかけました。
  • Thank you for working so hard on such a tight schedule today. – 今日はきついスケジュールで一生懸命働いてくれてありがとう。
  • I appreciate the great job you did. – 素晴らしい仕事に感謝します。

“Good job! / Well done!”は、同僚同士や目上の人が目下の人に対して使う言葉で、「よくやったね!お疲れ様」というニュアンスがあります。

ただし、目上の人に対して使うと失礼にあたることがあるので注意が必要です。

相手の労働を評価し、感謝を表す際には、“Thank you for ~”や“I appreciate your~”というフレーズが適しています。

これらは目上の人に対しても使うことができます。

  • You’ve done enough today. Make sure you have a good rest. – 今日は十分頑張ったよ。ゆっくり休んでください。
  • You must be worn out. Please get enough rest on your day off. – きっと疲れてるでしょう。休日にはしっかり休んでね。

“worn out”は「疲れ果てた」という意味で、相手が非常に疲れている時や大変な仕事を終えた後に使われます。

相手の気持ちに寄り添いながら、休息を取るよう勧める言葉として使われることが多いです。

これらのねぎらいと気遣いを表す表現は、コミュニケーションにおいて非常に重要です。

まとめ

今回は「お疲れ様です」の使い方や、「お疲れ様です」と「お疲れ様でした」の使い分けについて触れました。

●「お疲れ様です」は、どちらも上司や目上の人に使うことが一般的ですが、社外の人に使うと失礼とされることもあります。

●「お疲れ様です」と「お疲れ様でした」に共通しているのは、相手をねぎらう言葉であり、上司でも部下でも使える言葉ですが、仕事中か、仕事終わりかによって使い分けることが多いです。

●かつては「ご苦労様」を上司に使っていた時代もあり、言葉は時代によって変化していきます。

日々の言葉遣いは、適切な使い方やマナーが周囲の印象に影響を与えることもあります。
誤解を避けるためにも、丁寧な言葉遣いを心掛けましょう。

最後まで読んでくださって、ありがとうございました。