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日本で最も美しい河川「日本三大清流」をご存知ですか?

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四万十川(高知県)、長良川(岐阜県、愛知県、三重県)、柿田川(静岡県)は日本三大清流と称されています。

この表現を最初に使った人が誰かは明らかではありませんが、環境への関心が高まり、1980年代には、環境問題やダム建設に対する懸念、自然保護の意識が強くなる中で、広く使われるようになったとされています。

以下では、日本三大清流に関する基本情報をご紹介します。

日本三大清流とは?

このセクションでは、次のことについて、詳しくお伝えしていきます。

●水系とは?
●河川の分類
●清流とは?
●日本三大清流の名前の由来

水系とは?

雨水や雪解け水が集まり、小さな川を通って大きな川に合流し、最終的に海へと流れ出る一連の流れを、「水系」と呼びます。

水系は、「一級水系」「二級水系」「単独水系」という3つのカテゴリーに分類され、国土交通省が管理を行っています。

特に一級水系は、社会や経済活動に不可欠な水系とされ、全国で109水系がこれに該当します。二級水系はその数が2,710にものぼります。

河川の分類

河川には、「一級河川」「二級河川」「準用河川」「普通河川」という4つの区分があります。これらは、一つの水系を形成する様々な河川によって構成されます。

具体的には、一級水系に属する主要な河川が一級河川とされ、二級水系に属するものが二級河川とされています。

一級河川は国が、二級河川は各都道府県が、その他の河川は地方自治体が管理を担当しています。
2022年の時点で、一級河川は14,079、二級河川は7,087あります。

参照(ウィキペディア):一級河川二級河川

清流とは?

「清流」は、その名の通り、清らかな水の流れを意味しますが、これを明確に定義する基準は存在しません。

「自然が豊かで、水質が優れている」という川が一般的に清流とみなされています。
この認識には、国土交通省が公開する水質調査の結果も影響しています。

また、特定の河川が清流として広く認識されるようになった背景には、環境省による「名水百選」の選定やテレビ番組などの影響も大きいです。

日本三大清流の名前の由来

四万十川、長良川、柿田川として知られる日本三大清流は、特定の人物が命名したわけではなく、文化的な背景や社会的な流れによって自然と人々に広まった名称です。

これらの川は、それぞれの知名度や歴史によって次第に多くの人々に親しまれるようになりました。

環境省公式サイト

四万十川の魅力と特色

四万十川は、高知県を流れる渡川水系の一級河川で、日本三大清流の一つに数えられます。この川は「日本最後の清流」とも呼ばれ、その理由は川全体に大型ダムがないことにあります。

もともと「渡川」と呼ばれていたこの川は、1994年に四万十川と改名されました。
川の名前には様々な説がありますが、その正確な起源は明らかではありません。

名前の由来には、「四万十」が川の多さを示す、あるいはアイヌ語で「非常に美しい川」という意味があるなど、複数の説が存在します。

源流は高岡郡津野町の不入山にあり、四万十市の河口から土佐湾へと流れるまでに196kmの距離を蛇行しています。

これは日本で11番目に長い川で、流域面積は2,186平方kmに及びます。

四万十川の沈下橋

四万十川には、本流に22本、支流に26本の沈下橋があり、これらは四万十川の象徴的な風景の一つです。

沈下橋は高水位時に水中に沈む設計になっており、流木が衝突しても壊れにくいように考えられています。

四万十川でのアウトドア体験

四万十川周辺では、キャンプやアユ釣り、カヌー、ラフティング、ジップライン、遊覧船など、様々なアウトドア活動が楽しめることで人気があります。

特に四万十川ウルトラマラソンは、独特な100kmおよび60kmのコースが注目を集めています。

四万十川のうなぎ

四万十川は、天然うなぎの産地としても知られています。

うなぎは一年中捕獲が可能ですが、季節によって味が異なります。
特に10月から11月にかけてのうなぎが最も美味しいとされています。

ただし、四万十川でのうなぎ捕獲は4月から9月までに制限されており、これはうなぎの保護を目的としています。

冬期にはうなぎの活動が少なくなり、捕獲が難しくなります。個人で釣りをする場合は、遊漁券の購入が必要ですが、養殖うなぎは年間通して利用可能です。

岐阜県の自然遺産、長良川

長良川は岐阜県を流れる木曽川水系の重要な一級河川で、日本三大清流の一つとして知られています。

この川は岐阜県郡上市の大日ヶ岳に源を発し、「長良川源流の碑」よりも上流の地点が正式な源流とされています。

岐阜県から愛知県を越え、三重県桑名市で揖斐川と合流し、伊勢湾へと流れ込む166kmの長さは、日本で20番目に長い川です。

流域面積は1,985平方kmに及びます。

長良川河口堰の役割と特色

長良川河口に設置された長良川河口堰(かこうぜき)は、川の流れを調整する施設です。

ダム、堰、水門はいずれも川に設けられた水の流れを制御するための構造物で、15m以上のものをダム、堤防機能を持つものを水門と言います。

水門は洪水時に閉じて水を防ぎ、堰は通常時に水を貯める働きをします。
長良川河口堰は、治水と利水を目的に建設されましたが、自然環境への影響や公共事業に対する反対運動もありました。

これが長良川が堰のない清流としてのイメージを強化することにつながりました。

長良川で楽しめる観光とアクティビティ

長良川ではラフティングやキャンプなどのアウトドア活動が楽しめます。

また、5月から10月にかけての鵜飼(うかい)観光は大変な人気を誇ります。
鵜飼いは鵜を使った古代の漁法で、長良川では1,300年以上の歴史があります。

この地での鵜飼いは皇室御用達で、観光客は船から間近に迫力ある漁を見ることができます。

毎年8月には、岐阜新聞、岐阜放送、中日新聞主催の長良川花火大会が行われ、30万人以上が訪れます。

この花火大会は短時間に多くの花火を打ち上げることで知られ、2日間にわたる開催が特徴です。
2020年から2022年は中止でしたが、2023年に「ぎふ長良川花火大会」として再開されました。

※2024年は8月10日(土)開催予定です。
「ぎふ長良川花火大会」公式サイト

長良川鉄道で川の風景を楽しむことも、岐阜県ならではの魅力的な体験と言えるでしょう。

柿田川、日本三大清流の隠れた宝

柿田川は静岡県を流れる狩野川水系に属する一級河川で、日本三大清流に数えられています。

その全長はわずか1.2kmで、日本で最も短い一級河川ですが、富士山からの雨水や雪解け水が地下を通り、湧水群から毎日約100万トンの水が供給されることで知られています。

この水量は富士山地下水全体の約20%を占め、「東洋一の湧水」とも称されます。

柿田川湧水群は国の天然記念物に指定され、名水百選や21世紀に残したい日本の自然百選にも選ばれています。

柿田川湧水群の成り立ち

約8,500年前の富士山の大噴火で流れ出た溶岩が静岡県清水町の地下水脈を形成しました。この地域に降った雨や雪解け水が地下にしみ込み、溶岩層を約30年かけてゆっくり通過し、柿田川で湧水として湧き出ます。

かつては工業用水として利用されていた豊富な水量ですが、1980年代以降、自然保護の取り組みによってその清らかな水質が保たれています。

特に、「湧水第2展望台」からは、コバルトブルーに輝く透明な水を間近で見ることができます。

柿田川周辺の生態系は、一年中安定した約15度の水温と清潔な水質によって支えられ、多種多様な生物が生息しています。

柿田川での体験

柿田川の全長が1.2kmと短いため、カヌーやラフティングといったアクティビティは行われていません。

しかし、柿田川公園での散歩は訪問者に推奨される活動です。

公園内にはピクニックやバーベキューを楽しめる場所もあり、自然を満喫しながらゆったりとした時間を過ごせます。入園は無料です。

日本三大清流の魅力まとめ

「四万十川」「長良川」「柿田川」とされる日本三大清流は、特に水質が最良であるとか、最も長いわけではありませんが、ダムや堰のない自然な状態の維持、美しい景色、環境保全への取り組みによって、日本を代表する清流として高い評価を受けています。

四万十川はその沈下橋で、長良川は鵜飼いや花火大会で、柿田川はその豊かで清潔な湧水でそれぞれ知られており、これらの清流が見せる独特の自然の美しさは、訪れる人々に深い感銘を与えます。

最後まで読んでくださって、ありがとうございました。